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女流作家の成長プロセス [美術探訪]

martin-exhibs_b-top.jpg  アグネス・マーチン               

                                        
20世紀前半という時代に、モダニズム美術という先進的な領域でも、
女性が独立した作品世界を創造するのは一種の開拓であったかもしれません。
名を馳せた女性は少なくないですが、画家としてはこの4人を擧げます。

ヘレン・フランケンサーラー、
ジョアン・ミッチェル、
ブリジット・ライリー、
アグネス・マーチン


サーラー.jpg ヘレン・フランケンサーラー

サーラー.jpg ヘレン・フランケンサーラー

  ミッチェル.jpg  ジョアン・ミッチェル


ライリー.jpg 
女性の美術家である事は今日では普通の事になっているので、
ことさらに女流などと構えるのは時代錯誤には違いないですね。

しかし美術史上、女性が作家として自立して来たのは最近であり
19世紀までの女性作家は男性「巨匠」との師弟関係などで
語られる事が通例です。

                                                                                                                                                                                                      

                                          


                                                                                              ブリジット・ライリー 

martin-homage-top.jpg アグネス・マーチン



作品を見て「女性だね」と分かるかどうかは別として
この4人は私にとって「女性というイデア」の4つの側面を
表徴してくれるような気がします。

それぞれの芸術家のキャラクターを
個人の女性の成長プロセスとして整理してみました。

 十代〜二十代 ヘレン・フランケンサーラー …着実な学習による過去の継承、実験、軽やかな飛躍
三十代〜四十代 ジョアン・ミッチェル    …自然との親和、葛藤、持続、体質の充実
五十代〜六十代 ブリジット・ライリー    …知性の充実、感性との協和、天上的開放感
七十代〜八十代 アグネス・マーチン     …天使的知性、自然との一体性、静寂、叡智

年をとれば取るほど創造性が高まると言うイメージですね。
表面的には若い時期がもてはやされるのですが、マーチンは晩年が特に良い気がします。
現在は皆さんご高齢か、すでに亡くなられています。

Helen Frankenthaler (1928 - )        80歳現役
Bridget Riley (1931 - )            77歳現役
Joan Mitchell (1926 - 1992)         66歳で逝去
Agnes Bernice Martin (1912 - 2004)    92歳で逝去

こうして見ると、マーチンは特に息が長く、ディア・ビーコンで
回顧展を続けているのも頷けます。

http://www.diabeacon.org/exhibs_b/martin-homage/
http://www.diabeacon.org/exhibs_b/martin-trajectories/




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